
『TOKYOタクシー』感想|倍賞千恵子と木村拓哉に心が温まる映画
劇場で観たかったけれど、なかなか映画館へ行くことができず、気になったままになっていた映画があります。
それが、山田洋次監督の『TOKYOタクシー』。
倍賞千恵子さんと木村拓哉さんが共演するということで、公開されたときから気になっていました。
そして、ようやくPrime Videoで視聴。
最近は、先が読めない考察系のドラマや映画を見ることが多い私ですが、今回はちょっと違いました。
謎を追いかけるというより、
なんだか、ほのぼのする。
見ていると、だんだん心が温かくなる。
そんな映画でした。
『TOKYOタクシー』はどんな映画?
『TOKYOタクシー』は、山田洋次監督が手がけたヒューマンドラマ。
タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、ある日、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から神奈川県葉山の高齢者施設まで送ることになります。
ところが、すみれは「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」と、途中で何度か寄り道をお願いします。
こうして始まった、タクシー運転手と一人の乗客の一日。
最初はどこかよそよそしかった二人ですが、東京の街を走り、会話を重ねるうちに、すみれは自分の過去を少しずつ語り始めます。
そして、この一日の旅が、二人の人生を動かしていくことになります。
詳しい出演者情報やあらすじは、公式サイト で確認できます。
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山田洋次監督×倍賞千恵子さん×木村拓哉さん
この映画が気になっていた一番の理由は、やっぱりこの組み合わせ。
山田洋次監督と倍賞千恵子さん。
そして木村拓哉さん。
倍賞千恵子さんは、山田監督の作品には欠かせない存在。
一方、木村拓哉さんは『武士の一分』以来、19年ぶりに山田組に参加したそうです。
タクシーの車内という限られた空間で、ほぼ二人の会話を中心に物語が進んでいく。
派手な展開が続く映画ではないからこそ、二人の演技や会話が大きな見どころになっています。
木村拓哉さん演じる浩二、最初は「こんな接客でいいの?」
最初に木村拓哉さん演じる宇佐美浩二を見たときは、
「えっ、こんな感じのタクシー運転手で大丈夫?」
と思ってしまいました(笑)。
ちょっとぶっきらぼう。
お客様に対しても、ものすごく愛想がいいわけではありません。
実際、すみれからも「もうちょっと愛想よくしたら?」と言われてしまいます。
でも、すみれと一緒に過ごしていくうちに、浩二の印象が少しずつ変わっていきます。
すみれの話を聞き、必要以上に踏み込まず、それでもちゃんと受け止めていく。
最初は「接客としてどうなの?」と思った態度が、だんだん、
この人だから、すみれは話せたのかもしれない
と思えてくるんです。
すみれの人生には、ちょっと驚いた
倍賞千恵子さん演じる高野すみれ。
一見すると、85歳の上品な女性。
でも、タクシーの中で語られる過去には驚かされました。
「そんな人生を歩んできたのか……」
と思うような設定で、今のすみれからは想像できない過去が少しずつ明らかになっていきます。
そして、そこには戦後の日本で生きてきた人たちの大変さも垣間見ることができました。
私は戦後を直接知っている世代ではありません。
だからこそ、すみれの人生を通して、今とはまったく違う時代を少し覗かせてもらったような感覚もありました。
考察系が好きな私が、今回は「ほっこり」
最近の私は、ドラマでも映画でも、
「この人、何か隠してる?」
「この伏線はどこにつながる?」
「最後はどうなるんだろう?」
と考えながら見る作品が好きです。
だから『TOKYOタクシー』を見始めたときは、
「あれ、今回はずいぶん穏やかな映画だな」
と思いました。
でも、こういう映画もいい。
謎を追いかけなくてもいい。
犯人を考えなくてもいい。
ただ二人の会話を聞きながら、一緒に東京を走っているような気持ちになる。
そして、いつの間にか二人の人生に寄り添っている。
そんな時間でした。
ラストは途中から少し予想できたけれど……
最後の展開については、私は途中から少し予想できました。
「ああ、もしかして……」
と思っていた方向へ進んでいったので、ものすごく意外なラストだったわけではありません。
でも、不思議と「予想できたから残念」という感じはありませんでした。
そこへたどり着くまでの二人の時間を見ていたからこそ、
「そうだったんだね」
と、すんなり受け止められたように思います。
ただ、私が個人的にものすごく気になってしまったことがあります。
これ、税金ってどのくらい取られるんだろう?
……です(笑)。
映画を見終わった後、そこが妙に気になってしまいました。
感動するところなのに、現実的なことを考えてしまう私。
こういうところは、映画の余韻を楽しむというより、ついつい現実に戻ってしまうところです。
忘れかけていた「人の優しさ」を感じる
この映画を見て一番感じたのは、人と人とのつながりでした。
タクシー運転手と乗客。
最初はまったくの他人です。
その二人が、たった一日の旅をする。
人生の中では、ほんの一瞬の出会いなのかもしれません。
でも、その一瞬の出会いが、その人にとって大きな意味を持つこともある。
すみれの話を聞く浩二。
浩二の話を聞くすみれ。
お互いが相手の人生を少しだけ知ることで、最初とは違う関係になっていく。
そんな姿を見ていると、
最近ちょっと忘れかけていた、人の優しさってこういうものなのかな
と思いました。
『パリタクシー』も見てみたくなった
『TOKYOタクシー』を見終わって、もう一つ気になったことがあります。
それが、原作となったフランス映画『パリタクシー』。
『TOKYOタクシー』は、2022年に日本でも公開された『パリタクシー』を原作に、舞台を東京に置き換えた作品です。
同じ「タクシー運転手と一人の乗客」という設定でも、フランスと日本ではどんな違いがあるのでしょうか。
山田洋次監督が東京を舞台にどんなふうに描いたのかを知るためにも、こちらも見てみたくなりました。
日本版を先に見たので、今度は『パリタクシー』を見て比較してみるのも面白そうです。
まとめ
『TOKYOタクシー』は、最近私がよく見ている考察系の作品とは、かなり違うタイプの映画でした。
派手な謎解きがあるわけでもない。
先の展開を必死に考える必要もない。
でも、見終わったあとに、じんわり温かいものが残る。
そんな作品でした。
倍賞千恵子さん演じるすみれの人生。
木村拓哉さん演じる浩二の変化。
そして、たった一日のタクシーの旅。
「人は、ほんの短い時間の出会いでも、誰かの人生に何かを残すことがあるのかもしれない」
そんなことを感じました。
最近、刺激の強いドラマや考察系作品を続けて見ている方には、こういうほっとできる映画もおすすめです。
原作となったフランス映画『パリタクシー』も気になってます。
皆さんは『TOKYOタクシー』をご覧になりましたか?
そして、もし『パリタクシー』も見た方がいれば、どちらが好きだったかぜひ聞いてみたいです。
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